オートクチュール展から学ぶ

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April.

2016.

こんにちは。渋谷店より漆畑です。

先日忙しい買い付けシーズンの合間に、三菱一号館美術館にて開催中の『PARIS オートクチュール』展に行ってきました。

 

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日々商品ラインナップを考える上であらためて気づかされたこともあり、有意義な時間となりました。

 

オートクチュールの基礎を作った19世紀後半の服飾デザイナー、シャルル=フレデリック・ウォルトの作品にはじまり、クリスチャン・ディオール、ジバンシィ、バレンシアガ、ココ・シャネル、イブ・サンローラン、ジャン=ポール・ゴルチエ、クリスチャン・ラクロアなど服飾史に名を残してきた名クチュリエたちの作品は圧巻でした。

 

絵画のように衣装を芸術の域にまで高めたクチュリエたちですが、その美意識は時代とともに変化し、それぞれの時代を反映した作品自体のダイナミズムもさることながら、オートクチュール作品から通して見える当時の歴史や文化など、想像力を刺激するものでした。

 

オートクチュールの世界ではデザイナーがデザイン画を描き、縫製や裁断に指示を出しますが、実際の裁断や縫製は職人たちの手仕事によります。仕立てや縫製、羽根飾りやコサージュなど職人たちが長い時間を掛けて仕上げたディテールは見る者に訴えかけるものがあります。

 

パリにあるオートクチュールのメゾンは最盛期には100以上存在していましたが、大量消費社会が到来し、人々のライフスタイルの変化によって60年代以降激減します。2015年時点でクチュール組合の承認を受けたメゾンは14にまで減ってしまいましたが、当時の伝統技術や精神を受け継ぎ、近年新たな感性を持ったデザイナーたちによる原点回帰の動きもあるようです。

 

私たちが日々扱う眼鏡は、プレタポルテ(高級既製服)的要素と、それぞれの眼に合った度数に調整するというオーダーメイド的要素を併せ持っています。そしてそれらはデザイナーたちが様々に配慮した図面をもとに、熟練した職人たちの手によって仕上げられています。

 

Audrey
≪パリの有名メゾンGIVENCHYの顧客として有名だったのがオードリー・ヘップバーン。彼女が好んで掛けていたサングラスブランドの一つがオリバーゴールドスミス。代表モデルのAUDREYは現在日本の職人が手掛けています。※5/8まで渋谷店にてOLIVER GOLDSMITH「時代を越えたサングラスの世界」開催中。≫

 

大量消費の時代だからこそ、いつまでも愛着が持てるものを身につけていたい。人とは違うものを身につけたい。そんな方たちがお店にいらしたときに、ディテールの違いなど細かいことは分からなくても佇まいから出るムードの違いを感じていただけるような眼鏡をセレクトしていかなければ、大量消費の流れに飲み込まれてしまうのだと感じました。

 

同時にショップの人間はデザイナーの熱量を伝える最前線のソルジャーなのだと。

 

デザイナー、お客様、ショップ、それぞれのエナジーがうまく循環するよう肌感覚を敏感にしていたいと思います。

 

おわりに展覧会で購入したポストカードをアップします。ハーパス・バザー誌などで活躍した写真家フランソワ・コラールが撮影した30年代のクチュリエや職人の手の写真です。

 

 

シャネルの手
≪シャネルの手≫ 1937年

 

マダムドポンポの手

≪パキャンの店のマダム・ド・ポンポの手≫ 1937年

 

クチュリエや職人の手はオートクチュールの象徴であり、大量生産をしないオートクチュールの最も核をなす部分です。その手の写真にはなんとも言えないムードがあり、今の時代に何かを問い掛けているようでもありました。

 

(プレス 漆畑)

 

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