Paris silmo2011 ~旅の記録~
美しいパリの夕暮れ
夏の暑さもすっかり忘れてしまうような清々しい日々が続いていますが、眼鏡界にとって実はもっとも熱いのが今なのです。
パリで開催されるsilmo展、日本のIOFTなどメーカーにとっても小売店にとっても次のシーズンを占う重要な眼鏡の国際展示会があるからです。
そしてわたしたちも行ってまいりました。パリ視察へ。
昔と違って日本の展示会にも多くの海外メーカーが出展するようになり、海外に出向く日本人バイヤーの数は年々減っているように感じます。今年は特に。
しかしわたしたちは生の空気を感じること、商品の先に見えるものを感じるために毎年現地へ行っています。
実にいろいろな発見があるのですが、ひとつハッキリしているのは海外ブランドのモチベーションは日本の展示会のときのそれよりはるかに高いということです。
言語の壁が無いというのが何よりだと思うのですが、向こうにはイベントを楽しむ感覚が強くて笑顔があふれています。ブースの作り方とかプロモーションに対するコストの掛け方が潔くて、またかっこいいのです。俺たちの存在を見てくれ!という気持ちがよく伝わってきます。
ベスパ持込ブースと博物館展示風alain mikliブース
シリコン製カーテンを使用したブースにJAPANビレッジ(*震災サポートへの感謝がつづられていました)
ですから日本と現地では同じ商品を見ていても感じ方がかわってくるのではないかと思うのです。それは現場の空気感が商品を見る前に何らかの刺激を感性に与えているからではないでしょうか。世界観をどう伝えるか?そのことに対する思案の仕方は海外と日本での大きな違いといえるでしょう。
素敵な商談風景。座って足を商品にのっけている方が売り手(笑)こういうユルさもかっこいい。
さて、眼鏡好きな方なら今期のトレンドにも注目されている方もいらっしゃるでしょう。
まだ続いていますよ、トラッド。
海外でカトラー&グロスやオリバーゴールドスミスなどの歴史の長いイギリス系トラッドブランドがあって、それらを見てきた若者たちがデザインをするようになっています。
これらの教科書となるものとデザイナーそれぞれが刺激を受けたカルチャーとファッショントレンドをミックスアップしたものがとても多くなっています。これは日本がファッション文化のうえで現在直面している状況にとても似ているかもしれませんね。過去にあったワークやミリタリーアイテムをアレンジするのが得意な感度の高い日本のアパレルメーカーがとても多くなりましたよね。
今回の目玉になりそうなオリバーゴールドスミスのトラッドメタル
ラウンドのバリエーションも目に付きました。左)バートンペレイラ 右)マイキータ
そういった中、違うマーケットに目を向けているブランドもありました。ドイツのMYKITA(マイキータ)です。昨年のシルモレポートでもこの素材には触れていたのですが、ポリアミド系樹脂を加工して独自開発したMYLON(マイロン)素材を3年という時間を費やして現実的な商品に落とし込んだスポーツサングラスを発表していました。
「スポーツカテゴリーのアイウェアにはアスリート系のデザインばかりでファッション的なデザインはどこにもない!」とMYKITA社長のモーリッツは力説していました。この素材は潜在的な魅力を存分に秘めていると思うので今後も要注目です。
マイキータ社長モーリッツ。全方位の光をシャットアウトし超軽量な独自素材マイロン製サングラス。
MYKITAは今年で8周年を迎え、記念パーティーに招待いただいたので出席してきたのですが、ここでも面白い発見がありました。会場にはMYKITAのLOOK BOOKを飾ってきたフォトグラファーの作品や、MYKITA本社の内部写真が展示されていまして、私はその中の一枚に眼を止めました。
感度の高いアーティストとの繋がりも豊富なマイキータ。抜群のプロモーション能力。
ネタ帳を惜しげもなく展示してくれていた
↑これはヴィンテージフレームや古いカタログが保管されている部屋の写真なのですが、ハイテクモードな眼鏡のデザインソースがこういった古いものにあることがわかりとてもうれしかったです。ひとつひとつ引かれているラインに意味を感じるというか。。
半日をフィールドワークに費やしたこともあって、今回のシルモではこのこと以外にも会場外での発見が多かったです。
パリの眼鏡ブティックをハシゴし、セレクトの仕方や接客などを見学してきました。
とくにマレやサンジェルマンには小規模の個性的な眼鏡店が点在していまして、デザイナーを通じて紹介していただいた店を何件か巡ると、あるお店での見学中になじみ客と思われるマダムが店にやってきて、手持ちの眼鏡のレンズ交換をしたいようで何種類かの眼鏡をバックから出し、とっかえひっかえ掛けだしました。
その眼鏡のド派手なことといったらこのうえなくて(カークオリジナルスのキャンディーカラー!)、でもそれがぜんぜん浮いてなくて。。この色彩感覚を日本の女性にも生で見てほしい!と思いました。そもそも単一民族国家の日本では店員自身に肌の色がどうこうといったところを越えた色彩に対する偏見がいろいろとあるのかもしれません。
派手マダムとラコポロムッシュがいた店
また店のムッシュのいでたちもよくて、写真ではまともに見えると思うのですが、上はラコポロ、下はグレーのトレパンなのに足元は素足履きでローファーだったりするんですよね。一歩間違えれば新聞の集金が来たからあわてて部屋着のまま玄関に行って革靴履いちゃったみたいな感じなんですけど、彼なりのルールなんだろうと思わせるムードを持っているところがいいなと。あちらにはそんな人がいっぱいいます。
長くなってしまいますのでここらで〆のネタを。
パリではうどん屋が大流行です。
店自体が少ないからかもしれませんが、日本の麺ショップはどこも大行列で数年前は普通に店に入ることができたのに今年はあまりに列が長かったのであきらめました。
最後にインディペンデントな風景をお楽しみください。
たしか22:00頃だったか…恐ろしい列
極めて日本的な店員のいでたち。
もはやVOW的
(了)
(decora KOBE店長 漆畑)
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