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シートメタルをきっかけに考える

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 07

March.

2018.

こんにちは。漆畑です。

 

先日の日曜日、デコラ神戸、東京と続いたic!berlinイベントが無事閉幕致しました。

 

ご来店いただきましたお客様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

 

たまにはイベントが終わった後だからこそ考えるきっかけになったことをつらつらと書いてみようと思います。

 

元祖シートメタル、シートメタルのパイオニアといえばic!berlinですね。

 

ic!berlinと人気を二分するMYKITAも元を正せばic!berlin出身です。

 

私は弊社に入社する以前、遡ること20年ほど前になりますが、関西の眼鏡量販店で2年くらい勤務しました。いわゆる街のメガネ屋で量販向けライセンスブランドや百貨店好みの老舗メーカー、プライベートブランドなどを扱っていました。勤務する傍ら眼鏡のことを勉強すればするほど奥が深いということがわかり、当時創刊されはじめたモードオプティークという眼鏡専門誌やコンセプトのある眼鏡を特集しはじめたペンやモノマガジンなどを貪り読んでいました。休日になると雑誌で調べた眼鏡セレクトショップへ出かけ、インポートの眼鏡や手作りを謳うドメスティックブランドをしげしげと眺めていたのでした。そしていつしかセレクトショップの門を叩いていました。

 

当時のセレクト系眼鏡のトレンドといえば、小さめ、縦浅、横長、ブロー、などが主流でマツケリ社をはじめ海外メーカーが作るプラスチック生地の見たことのない柄や色はとても鮮烈でした。プラスチック枠が全盛の時代です。

 

そんな中、格別異彩を放っていたのがic!berlinです。

ネジを一本も使わず、ステンレスの板をくり抜き、ピカピカに輝いていた眼鏡はかつて見たことのない独特の存在感を放っていました。これをおまえはどう着こなすのか?そんな挑発を受けているようでもありました。

 

 

 

 

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デビュー当時のメンバー

 

 

コンセプトアイウェアの中で当時一流ブランドとして君臨していたアランミクリやテオなどと比べるとic!berlinは後発になるわけですが、それら一流ブランドに割って入ろうという気概に満ちていました。

 

立ち上げ当時はどのブランドも資金繰りに苦労するわけですが、彼らは自分たちの衣装の内側にフレームを忍ばせて展示会場に潜入し、会場にいるバイヤーに衣装を広げて商品をプレゼンして歩いたというのは業界内では有名なエピソードです。

 

 

 

 

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このような感じで奇想天外な発想力はメジャーになる前から発揮されていました。

 

知名度のないブランドによる認知のためのパフォーマンスが単に目立ちたいだけの奇抜な行動とみなされなかったのは、根底にあるデザイン哲学にドイツブランド特有のバウハウスイズムが感じられ、機能性と美観が渾然一体となったコレクションはアイウェアデザインの新たな可能性をセンセーショナルに提示していたからです。世界中のバイヤーが驚きと興奮をもって新たなデザイン集団の誕生を歓迎しました。

 

以後、シートメタルというカテゴリーを追随するブランドが世界中に多数現れたことは彼らが真にパイオニアであったことを証明しています。

 

ic!berlinは “ 眼鏡のパーツはロー付けやネジによって固定されているもの ” という既成概念を変えてしまいました。

 

 

 

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Jack ※1999年モデル

 

 

新たな需要を開拓するのはとても勇気が要りますし、大変なことです。

成功すればハイリターン、失敗すれば借金地獄。

 

彼らが眼鏡の作り方に新たな可能性を提示し、眼鏡のファッション領域を広げた功績は計り知れません。

 

アイウェア界のファーストペンギン、それがic!berlinなのです。

 

クラシックなトレンドが長く続く眼鏡業界ですが、多種多様な嗜好があっていいと思いますし、またさまざまなカテゴリーのメガネにチャレンジすることで懐広く眼鏡を楽しめるようにもなるはずです。

 

市場が成熟していけばいくほどチャレンジャーのハードルは高くなっていきます。果敢に挑んだic!berlinのような開拓者が続いていく環境を絶えず生み出していくこと、それはこの業界にとってとても大切なことだと思います。

 

いつもわくわくする店でありたいと思いますし、またそうでなければ来店されたお客様は報われぬと思う次第であります。

 

“ 好循環 ” そのことをまた考えるのでありました。

 

 

 

(プレス 漆畑)

 

 

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